美術の裏話
フェルメール真珠の少女、まさかの偽物説!?

目次
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」:あの真珠は本物?
フェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」。誰もが目を奪われる、あの印象的な真珠ですが、実は本物ではない可能性が非常に高いことをご存知でしょうか?
美術史家や科学者による長年の研究の結果、あの真珠は本物のアコヤ真珠や白蝶真珠ではなく、ガラス製の模造品である可能性が極めて高いという結論に達しつつあります。
常識を覆す証拠の数々
なぜ、模造品説が有力視されるのでしょうか?その理由は、主に以下の3点です。
- サイズ:あの真珠は非常に大きく、直径は推定14〜16mm。17世紀のオランダにおいて、これほど大きな天然真珠を入手することは極めて困難でした。入手できたとしても、莫大な価値がつき、無名の少女が身につけることは考えにくいのです。
- 輝きの不自然さ:高解像度の画像分析によると、真珠特有の複雑な光の反射や干渉縞が見られません。均一すぎる光沢は、天然真珠よりもガラス玉に近い特徴を示しています。
- 絵画の目的:フェルメールは、しばしばトロンプルイユ(騙し絵)の手法を用いていました。少女の絵も、特定の人物の肖像画ではなく、当時の流行の「トローニー(頭像)」と呼ばれる、モデルを使って描かれた習作であると考えられています。つまり、高価な真珠を実際に用意するよりも、安価な模造品で十分だったのです。
顕微鏡レベルの調査が語る事実
オランダの研究所が行った詳細な調査では、絵の具の層を分析し、真珠の表面の構造を詳細に調べました。その結果、真珠の表面に有機物の痕跡は見当たらず、ガラス特有の滑らかな質感が確認されたのです。
当時の模造真珠の技術
17世紀のオランダでは、ガラス製の模造真珠を作る技術が発達していました。特に、ベネチアで作られた高品質なガラス玉は、富裕層の間で人気がありました。フェルメールが、これらのガラス玉を参考にした可能性は十分に考えられます。
「真珠」が意味するもの
もしあの真珠がガラス玉だったとしても、絵画の価値は損なわれません。むしろ、フェルメールの高度な描写力と、当時の社会における価値観を反映していると言えるでしょう。
まとめ
「真珠の耳飾りの少女」の真珠は、本物ではない可能性が高い。その根拠は、サイズ、輝きの不自然さ、そして絵画の目的という3点に集約されます。驚くべきことに、フェルメールは、安価なガラス玉を使って、これほどまでに人々を魅了する作品を生み出したのです。