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発明ストーリー

焦げ付き防止の裏側:偶然が生んだ奇跡

3月 17, 2025 admin 1分で読めます
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焦げ付かないフライパンの起源:思わぬ副産物

私たちが当たり前のように使っているテフロン加工のフライパン。実は、その誕生は全く別の目的の研究中に起きた偶然の産物だったことをご存知でしょうか?

驚愕の事実:テフロン、正式名称ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、1938年にデュポン社のロイ・プランケット博士が、冷蔵庫用の新しい冷媒の研究中に発見しました。彼は、テトラフルオロエチレンのガスを貯蔵していた容器を開けようとしたところ、ガスが全く出てこないことに気づきました。容器の重さは変わらず、中を調べると、白い粉末が残っていたのです。それがテフロンでした。

偶然が生んだ特性

この白い粉末を調べた結果、プランケット博士は驚くべき特性を発見します。それは、非常に低い摩擦係数と、ほとんどの物質に反応しない化学的安定性でした。つまり、非常に滑りやすく、何にもくっつきにくい物質だったのです。

常識の覆し:当初、テフロンは冷蔵庫の冷媒としてではなく、第二次世界大戦中に軍事用途、特にウラン濃縮プロセスにおけるガスケットやシール材として使用されました。極めて過酷な環境下でも劣化しないテフロンの安定性が活かされたのです。

フライパンへの応用:意外な転換

テフロンの滑りやすさがフライパンに応用されるまでには、さらに時間がかかりました。1954年、フランスの技術者マルク・グレゴワールが、妻のコレットの「フライパンにものが焦げ付かないようにできないかしら?」という一言からヒントを得て、テフロンをフライパンにコーティングすることを試みました。これが、世界初のテフロン加工フライパン、通称「テファール」の誕生です。

数字で見る衝撃:テフロンの摩擦係数は非常に低く、氷の摩擦係数よりもさらに低い値を示します。これにより、食品はフライパンにほとんどくっつかず、調理が格段に楽になりました。

まとめ

冷蔵庫用冷媒の研究から生まれたテフロンが、軍事用途を経て、家庭のフライパンを革新するとは、まさに驚きの展開です。偶然の発見が、私たちの食生活を豊かにした一例と言えるでしょう。焦げ付かないフライパンを使うたびに、この偶然の物語を思い出してみてください。

admin

BubbleNoteの編集者です。

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