背面跳びは非常識だった!? フォスベリーフロップ驚愕の真実

非常識からの革命：フォスベリーフロップ

現在、高跳びの常識となっている背面跳び「フォスベリーフロップ」。しかし、その誕生当初、人々は嘲笑しました。「奇妙だ」「非常識だ」「失敗する」と。

嘲笑と懐疑の目

それまで主流だったのは、体を正面からバーに向ける「ベリーロール」や「ストラドル跳び」でした。フォスベリーの背面跳びは、背中からバーに突っ込むように見えるため、多くのコーチや選手から「危険だ」「記録は伸びない」と批判されたのです。

しかし、フォスベリーは独自の跳び方を貫きました。彼は、重心をバーよりも低く抑え、より効率的にバーを越えることができる背面跳びの潜在能力に気づいていたのです。

常識を覆した驚異の記録

1968年メキシコ五輪。フォスベリーは、誰もが不可能だと考えていた背面跳びで、見事に金メダルを獲得。しかも、2m24cmというオリンピック新記録を樹立したのです。

この瞬間、世界中の人々はフォスベリーフロップの有効性を認めざるを得ませんでした。それまで嘲笑していた人々も、手のひらを返したように称賛し始めたのです。

なぜ背面跳びは優れているのか？

背面跳びの最大の利点は、重心のコントロールです。ベリーロールやストラドル跳びでは、重心がバーよりも高くなりがちですが、背面跳びでは体を反らせることで、重心をバーの下に保つことができます。

これにより、より少ない力で高く跳ぶことが可能になるのです。実際、研究データによると、背面跳びは他の跳び方と比較して、平均で5〜10cmも高く跳べる可能性があるとされています。

急速な普及と現代高跳びへの影響

フォスベリーの成功以降、背面跳びは急速に普及しました。1970年代には、世界のトップジャンパーの80%以上が背面跳びを採用。現在では、高跳び競技における99%以上の選手がフォスベリーフロップで跳んでいます。

まさに、フォスベリーフロップは、高跳びの歴史を塗り替えた革命的な技術革新だったと言えるでしょう。